メディカルニュース

2010年6月17日
約4割の医療機関で経済的理由で治療中止

患者の経済的な理由による治療の中断や中止が、この半年間に約4割の医療機関であったことが、全国保険医団体連合会の調査で分かった。特に歯科診療所では半数近くに上った。 保団連では、各都道府県の保険医協会に調査への協力を依頼。回答を得た8協会の計2829医療機関(病院109、医科診療所1577、歯科診療所1143)について中間報告をまとめた。 それによると、38.8%の医療機関で、患者の経済的な理由によって治療を中断または中止したことがこの半年間にあった。施設別では、歯科診療所が47.4%で最も多く、次いで医科診療所33.4%、病院26.6%の順。保団連の宇佐美宏副会長は、「歯科は命に直結するわけではないので、医科よりも経済的な影響が強く出る。痛みが治まると受診しない人も少なくない」と指摘している。 またこの半年間に、医療費負担を理由に患者から検査や治療、投薬を断られたことがある医療機関は42.9%だった。施設別では医科診療所が46.1%、病院が43.1%で、歯科診療所の38.5%に比べ医科医療機関で多かった。竹崎三立副会長は「医科では、慢性疾患で継続して受診していると、簡単には治療を中断できない。しかし、1か月分の薬を3か月かけて飲み切るなどして受診を控えたり、必要な検査を断ったりする例は歯科よりも多い」と説明している。


2010年6月15日
病院の病床再び減少、160万床割り込む

厚生労働省の医療施設動態調査(3月末概数)によると、前月9か月ぶりに増加した病院の病床数が再び減少に転じ、3136床減の159万7320床となった。前年同月からは9125床の減。このうち療養病床は前月から288床減の33万5027床で、16か月連続の減少。前年同月からは4310床減少した。 病院の病床数はこのほか、精神病床が前月比648床減の34万7441床、結核病床が197床減の8542床、一般病床が2012床減の90万4506床、感染症病床が9床増の1804床だった。 また、全国の病院の施設数は前月から16施設減の8708施設で、前年同月からは58施設の減少となった。 一方、一般診療所の施設数は前月から4施設増の9万9583施設。有床診療所は1万861施設で38施設減ったのに対し、無床診療所は42施設増の8万8722施設だった。病床数は358床減の13万9622床となり、前年同月と比べ5775床減少した。


2010年6月12日
介護型療養病床、方針通り廃止へ

長妻昭厚生労働相は、介護型療養病床について、現行の廃止方針を維持する方向で最終調整に入った。昨年11月に、方針を凍結し、再検討する意向を表明していたが、医療の必要性が低い高齢者が長期入院する「社会的入院」の解消や、医療費抑制の観点から、方針転換は適切でないと判断した。 一方で、同病床は廃止するものの、その期限を医療制度改革関連法で定めた2011年度末から延長する案が厚労省内で浮上しており、厚労相は8月にもまとまる予定の医療機関などの実態調査結果を踏まえ、最終判断する。期限延長する場合、来年の通常国会への同法改正案の提出が必要となる。


2010年5月27日
初の医師不足実態調査の内容

全国的な医師不足の実態を把握するため、厚生労働省が初めて行う調査の具体的な内容が明らかになった。 調査は病床数に関係なく行われ、全国の医療機関10358施設(病床を有しない分娩取り扱い施設も含む)が対象。調査項目は大きく3つに分かれており、「必要医師数」「勤務形態」「分娩取り扱い医師」となっている。 このうち「必要医師数」の項目では、地域医療において各施設が担うべき診療機能を維持するために確保しなければならない医師数を前提とした上で、調査時点で求人しているにもかかわらず充足していない「必要求人医師数」と、求人していない「必要非求人医師数」を調べる。 「勤務形態」では、各医療機関が雇用している医師について、正規雇用、短時間正規雇用、非常勤の別にそれぞれの人数を、「分娩取り扱い医師」では、医師の総数のほか、正規雇用の医師総数と、それぞれの中に占める女性医師数などを問う内容になっている。 厚労省では医療再生計画の一環として、地域医療再生交付金2350億円を予算に計上。5年計画で医療再生に向けた医師の養成や人材確保を進めるため、すべての都道府県に50億円を交付することになっている。しかし、これまで医師不足をめぐってどのような現状にあるのかを体系立てて調査した事例は、都道府県単位で独自に調査した数例があるのみで、各自治体が抱えている課題などが具体的に明らかになっていないのが実情だという。 同省では、すべての病院を対象に統一したフォーマットで調査することで、隣接する自治体同士での比較など、同一項目について横断的に分析することができるのがこの調査の特長としている。また自由記載欄を設け、医師を求人しなければならなくなった理由や医師が充足しない背景などを記述してもらうことで、医師不足に至る理由や地域が抱える課題を具体的に把握・分析したい考えだ。 同省では、来週にも都道府県の関係部署を通じて全国の医療機関に調査票を配布することになっており、9月をめどに結果の概要を公表する方針。最終的な結果の取りまとめは年末ごろを見込んでいる。


2010年5月26日
カルテ開示、年30件未満が7割超

東京都、神奈川県の日本医療機能評価機構認定病院を対象に実施した調査で、カルテ開示請求件数が年30件未満にとどまった病院が7割超に上ることが分かった。同団体は調査報告書で、請求を断念せざるを得ないほど開示請求費用が高額な病院があることや、開示請求の理由を尋ねる病院が過半数に上ることなどが、件数が少ない理由との見方を示している。 291病院に調査票を送付し、91病院から回答を得た。調査結果によると、2008年の開示請求件数は8病院がゼロ、29病院が1-9件、16病院が10-19件、13病院が20-29件などで、72.3%に当たる66病院が30件未満だった。しかも、日本医療機能評価機構の評価条件には、「患者の請求に基づく診療記録などの開示に対応している」との項目があるため、認定病院以外の病院・診療所への開示請求件数はさらに少ないと考えられるという。 カルテ開示の費用については、開示請求自体に費用を設定している病院が19病院あった。金額は、3病院の1000円が最低だったが、中には1万円も1病院あった。このほか、コピー代、閲覧料、医師の説明料などの費用が請求されていた。 報告書ではまた、「開示請求の理由を尋ねる」(54.9%)のほか、「来院が必要」(65.9%)、「開示請求に応じる期間に制限を設けている」(26.4%)などの対応が、カルテ開示による患者の知る権利を妨げる要因になっている可能性があると指摘。医療機関、医療従事者に対し、カルテ開示の重要性を理解した上で、開示に関する情報提供を積極的に行うことなどを求めている。また、国に対しては、カルテ開示など診療情報提供システムについて全国的な実態調査を行うよう求めている。


2010年5月26日
回復期リハ入院料1の届け出、1年で4倍超に

厚生労働省は、中央社会保険医療協議会(中医協)の総会に、「回復期リハビリテーション病棟入院料1」の病院による届け出が昨年は836件(7月1日現在)で、2008年の195件(同)の4倍超に増えていたと報告した。 回復期リハビリテーション病棟入院料1は08年度の診療報酬改定で導入され、算定病院がクリアすべき基準としては、「新規入院患者に占める重症患者の割合が15%以上」(現在は20%以上)などが組み込まれた。一般病棟と療養病棟のいずれからも移行できる。 報告によると、病棟の種類ごとの届け出は、一般が08年の115件(5047床)から昨年は430件(1万8671床)と3.7倍の増加。療養では、08年は140件(6555床)だったが、昨年には755件(2万9232床)と5.4倍に増えていた。 勤務医の事務作業を軽減する狙いで08年度に新設された「医師事務作業補助体制加算」の病院による届け出は、08年の730件から昨年は1098件に増えた。